tama-medical.com 2002年11月30日更新

以下は青木文彦先生が2002年4月19日、第45回日本形成外科学会学術集会(長崎市)にて講演発表した内容を、著者の承諾を得て掲載しています。
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超弾性ワイヤーによる巻き爪矯正法

湘南台青木形成外科クリニック 青木文彦

image001.jpg 1996年町田らは形状記憶合金プレートを用い低侵襲で巻き爪の矯正を行い良好な結果を得たことを報告。1999年さらに強力な矯正力を有する超弾性ワイヤーを開発した。

image002.jpg 演者はこの超弾性ワイヤーによる爪矯正を巻き爪、陥入爪の治療に用い、良好な結果を得たので本法の施術手技を報告するとともに、症例を供覧する。

image003.jpg 対象は巻き爪、陥入爪の患者で痛みの改善、または形態的改善を希望する、男性61例、女性252例の計313例、うち拇趾554趾、その他の足趾65趾の計619趾であった。

image004.jpg 使用する材料は多摩メディカル社製、ニッケル・チタニウム合金の超弾性ワイヤーである。23G針を用いて穴をあけ、爪甲を巻き込むようにワイヤーを通す。爪が割れない限り自然脱落することはほとんどない。

image005.jpg その後ワイヤーの弾性により、彎曲した爪は直線状になろうとする力が持続的に加わり、爪溝に食い込んだ爪が減圧される。これにより痛みのあるものは数日で改善、2週間後にはほとんどの症例で肉眼的に形態の変化を認めることができる。

image006.jpg その後は爪の伸び具合に応じて1〜2カ月に1度伸びた爪を切り、爪近位側に同様の操作を繰り返す。通常6カ月〜1年で爪基部まで平坦化してくる。

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症例:62歳、女性。スライドの如き彎曲を有する爪で、歩行時に食い込み痛みを訴えた。超弾性ワイヤー装着後数日で痛みは改善、2カ月後にはほぼ平坦化した。爪基部が平坦化するまで矯正を続け、矯正終了2カ月後も矯正形態を保っている。

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31歳、女性。スライドの如く重度の巻き爪で、痛みのため数年来靴を履くことができなかった。彎曲に応じてスライドの如くワイヤー装着の位置を変え、1カ月で平坦化、痛みはなく快適に靴を履いている。

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30歳、男性。左第趾爪甲片側の彎曲であり、爪床に食い込む痛みがあった。2カ月後ほぼ平坦化、痛みはまったくない。


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結果:爪矯正開始後2カ月以上経過を観察し得た症例は289例580趾。うち爪の亀裂によるワイヤー脱落などで矯正を継続できなかったもの、良好な形態に矯正できなかったものは25趾であり。症状改善率は95、7%であった。


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まとめ:本法は治療中の痛みもなく、直後よりスポーツも可能である。矯正期間がやや長くかかるものの、通院は1〜2カ月に1度程度と負担は少ない。再発率は比較的高いが、矯正終了後の彎曲再発に対しても全く同じ方法で行える。したがって根治療法とはいえないが、受け入れやすい有用な方法と思われる。

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