dr-machida.com 2003年6月18日更新

以下は2003年9月26-27日第52回東日本整形災害外科学会 東京にて講演しました。
爪矯正治療、外反母趾の整形靴と手術

町田英一
高田馬場病院整形外科 〒171-0033豊島区高田3丁目8の9
Tel. 03-3971-5114 Fax 03-5338-8306


爪矯正治療
 陥入爪治療の要点は2つある。1.爪縁処置、爪縁の遠位端が軟部組織に刺さらないようする事。2.弯曲爪治療、爪の弯曲を減らす事である。従来の治療は手術でも創縁処置ばかりで、弯曲爪には良い治療方法が無かった。

 形状記憶合金プレート(町田1995)、超弾性ワイヤー(町田1999)により弯曲爪が矯正により平らに矯正出来るようになった。超弾性ワイヤーは形状記憶合金であり、爪甲先端の白い遊離縁に穴を開けて挿入し、持続的に強い矯正力を加える。超弾性ワイヤーは1-2カ月毎に入れ替え、爪の弯曲度と堅さにより2カ月から3年間くらい続ける。ワイヤーが入っていると痛みが無いので、通院を継続する患者が多い。

 従来手術が必要であった重度の陥入爪でも爪縁処置にtube splinting、cotton packing、硝酸銀を用い、弯曲爪を超弾性ワイヤーで治せば、爪を狭くせずに治癒に導ける。

外反母趾
 治療の要点は保存的でも手術でも開張足の治療である。外反母趾の原因は開張足であり、中足部の横アーチが低下して中足部の足裏の軟部組織が菲薄化し、第1中足骨が内旋する。保存療法では中足骨パッドを厚くして横アーチを支える。そのためには厚い中敷きが必要であり、アウトソールの加工が容易なドイツの整形靴により最も良い調整ができる。裸足はアーチの低下を来すため、室内でも中敷きの入ったサンダルが良い。

 手術は外反母趾角35度までの例には足関節ブロック下に遠位chevron法、PLLA固定を行う。35度以上では腰椎麻酔下に近位chevron法に骨移植を加え、第1中足骨を前から見て30-60度回旋し、K-wire、2-3本で固定する。 手術後は開張足は改善するが、足底の軟部組織は薄いままなので、裸足では痛みが残る。術後も室外、室内とも調整した整形靴を勧める。 参考:http://dr-machida.com



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